ホルンはどんな楽器?

ホルンはどんな楽器?

楽器を吹いているとホルンてどんなふうになっているの?と

とてもザーーーックリとした質問を受けることがある。

確かに自分も全然他の楽器を知らないなあということで、

わからないことはお互い様。

とりあえず自分から動こうということでこの記事を書こうと思った。

ホルンとは?

ホルンとは金管楽器の一種である。管は円錐状でそれをくるくると巻いてある。

ロータリーと呼ばれる管の分岐点が楽器にもよるが、シングルホルンであれば基本的に3つ、フルダブルホルンであれば4つか5つある。このロータリーを動かすことで管の内部の長さを変えることができ、音程を変化させることができる。

外観を下の写真に示した。これはフルダブルホルンである。ホルンはメーカーによって巻き方が様々で一概にホルンといっても形は様々である。

ちなみに自分の楽器はOtto 201である。

ナチュラルホルン

現代のホルンの元となっているのがナチュラルホルンと呼ばれるホルンで、現代のホルンに見られるロータリーが全くないとてもシンプルなホルンである。

下の写真がナチュラルホルンである。真ん中のベルのついているものが本体であり、周りの丸い管はクルークと呼ばれる付け替え用の管である。

もっと近くで見るとこんな感じ。

実はナチュラルホルンでは綺麗に奏でることのできる音が現代のホルンと比較してかなり少なく。実際基準音がドのナチュラルホルンで出せる音は次のとおりである。

ドの音を基準とするナチュラルホルンで出すことのできる音

これを見てもらうとわかるとおり、ドレミファソラシドという音階をナチュラルホルンでは綺麗な音で奏でることはできない。

この音の列を自然倍音列と説明している解説があるが、厳密には間違いで、自然倍音列にはならない。通常、高校物理学で学習する気柱の共鳴理論で自然倍音列になるのは筒の両端が閉じているまたは両端が開いている場合のみであるが、ホルンは片側が閉じて、もう片側が開いている構造を取っている。

実はホルンの形状に秘密があり、管の広がり具合(テーパー)によって自然倍音列に近似した列になっているのである。

とはいったものの面倒なので以降ナチュラルホルンで出すことのできる音を「ナチュラルホルンの音階」もしくは単に「自然倍音列」と呼ぶことにする。

このナチュラルホルンは18世紀半ばまで使われていた、いわば古楽器である。ベートーベン頃の古典派の時代まではこのナチュラルホルンしか無く、この頃までの作曲家の曲のホルンパートはナチュラルホルンをホルンとして書かれている。

この楽譜では冒頭もしくは途中の所々に「in ●」という表記があり、この●には音名のアルファベット表記(C, D, Es,・・・など)が書かれる。これはナチュラルホルンの調性を指定する表記で、この表記ごとに上の写真にあるナチュラルホルンのクルークを付け替える。

ナチュラルホルンは奏法も独特で、バロック時代まではナチュラルホルンのベルに手を入れることなく、右手で楽器のマウスパイプを掴み、右腕の上に楽器を乗せて吹いていた。古典派の時代になるとナチュラルホルンのベルの中に右手を入れるようになった。右手でベルの塞ぎ具合を調節することでナチュラルホルン音階(自然倍音列)以外の音も演奏できるようになった。例えば、ベルを完全に塞ぐとおおよそ半音だけ音程が上昇する。半分くらい塞ぐと音程はおおよそ半音下がる。

ただ、この方法では自然倍音以外の音はくぐもったり、金属的なビーンという特殊な聞こえ方をするため、原則このような音は避けて使われることが主である。ただし、これを逆に効果的に使う場合もある。

現代では金属的なビーンという音を出す技術をゲシュトップといい楽譜上では音符の上下に「+」もしくはgestopftと表記される。

ここまででナチュラルホルンの説明を行ってきた。ここからいよいよ現代のロータリー付きのホルンの説明に入る。

ロータリー付きのホルン

ロータリーというのはホルンの管の分岐点で下の写真の丸い銀のキャップがついている部分である。

ロータリーが無いナチュラルホルンと異なることは、分岐点で管の長さを変えることでナチュラルホルンにあった音程の制限を回避している点である。

ロータリー付きのホルンはシングルホルン、フルダブルホルン、フルトリプルホルン、セミダブルホルン、セミトリプルホルンと呼ばれるものが一般的である。

ここではシングルホルンとフルダブルホルンについて解説する。

シングルホルン

まずは構造がシンプルなシングルホルンについて解説する。

現代のシングルホルンでは主にファを基準とするものとシ♭を基準とする楽器が使用されており、構造的にはファもしくはシ♭のナチュラルホルンにロータリーが3つついたような構造をしている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/16 19:16 UTC 版)

上写真はF(ファ)シングルホルンであるが、の左側のロータリーが1番ロータリーと呼ばれ、ロータリーのバーを押すと音程が全音下がる。すなわちEs(ミ♭)のナチュラルホルンと同等になる。

真ん中のロータリーは2番ロータリーと呼ばれ、ロータリーのバーを押すと音程が半音下がる。すなわちE(ミ)のナチュラルホルンと同等になる。

一番右側のロータリーは3番ロータリーと呼ばれ、このバーを押すと音程が全音+半音だけ下がる。すなわちD(レ)のナチュラルホルンと同等になる。

また、これらのロータリーを押す組み合わせでCis, C, Hのナチュラルホルンと同等の状態を作ることができる。

まとめるとFシングルホルンはF, E, Es, D, Cis, C, Hのナチュラルホルンを全て合体させたような構造を有しており、複数のナチュラルホルンが楽器に組み込まれているため、自然倍音列を使いたい音程が出せる位置に操作できる。これにより、古典派時代までのナチュラルホルンの音程制限を回避することができるのである。

またB♭(シ♭)シングルホルンも構造は同様で、B♭, A, As, G, Fis, F, Eのナチュラルホルンを全て合体させたような構造を有している。

音色について、シングルホルンはナチュラルホルンに近い音色を持っていると言われる。Fシングルは少しくぐもったような音色で、B♭シングルは輝かしい音色を有する。吹奏感はダブルホルン、トリプルホルンと比較して軽く、ソロなどの場面でしばしば用いられる。

フルダブルホルン

フルダブルホルンはその機能性から現在最も広く使用されているホルンの型である。フルダブルホルンを再掲する。

構造は先述のFシングルホルンとB♭シングルホルンが合わさったものとなっている。この二つのシングルホルンの構造を切り替えるロータリーが4番ロータリーと呼ばれ、シングルホルンの3つのロータリーの親指よりか反対側にある。

自分の楽器は親指側にあるタイプのものである。

一番手前の筒のようなものが4番ロータリー
裏から見た写真。ロータリーキャップが見えているロータリーが4番ロータリー。

この4番ロータリーを親指で押すことでFかB♭かを吹き分けている。

一般的にはin Fの記譜の第三線上のラより上であればB♭管を用い、下であればF管を用いるが、これは奏者の好みによって分かれる。最近のアマチュアホルン奏者ではB♭を常に使用し、特定の音程をとる時のみF管を用いるタイプが多いように思う(あくまで自分の周りではの話)。

ここまでくると2つの楽器が合体した形なので、かなり複雑である。

よく見るとロータリー部分が上下2段に重なっていることがわかる。

この上段がF管で下段がB♭管である。B♭管の方が短いのでF管が覆い被さり、B♭管を隠すように管が配置されている。

フルダブルホルンになると2つのシングルホルンが入っていることになるので、管の調性のダブりをのぞいて11本のナチュラルホルンを内在した楽器になる。

そのほかのホルン

ここまでで、ナチュラルホルン、シングルホルン、フルダブルホルンと紹介してきたが、これらの他にセミダブル、フルトリプル、セミトリプルといった種類のホルンがある。

セミダブルはフルダブルの管の構造を工夫したホルンで、B♭管がF管よりも短いことを利用して、F管の中にB♭管を含めるように設計したホルンである。

すなわち、空気の通り道が、B♭管を吹くときはB♭管のみで、F管を吹くときはB♭管を通ってから、残りの部分を通る。管2つ分をフルで付けないのでセミと接頭語がつく。特徴としてフルダブルホルンより軽くなる利点があるが、チューニングが難しくなるなどの欠点もある。

フルトリプルホルンはフルダブルホルンにF管の1オクターブ上のハイF管と呼ばれる管(ハイEs管のものもある)がついたものを指す。

セミトリプルホルンはフルダブルに対するセミダブルと同じで管の構造を工夫してあるホルンである。

マウスピース

マウスピースとは唄口のことで、小さいカップ状の筒である。

ホルンの他金管楽器はこのマウスピースに唇を当て、吹くことで音が鳴る仕組みである。しかし、ただ当てて吹けばなるというものではなく、音が鳴るように唇を強張らせて、適切な唇の形を作ってから吹かないと音がならないか、鳴っても良い音にはならない。初めて金管楽器を吹く人が初めに経験するとてつもない壁である。自分も音がププッとちょっとだけ鳴るまでに1週間半かかった。

ホルンのマウスピース

私は銀アレルギーのため、マウスピースのリム(直接唇が触れる部分)に金メッキをかけている。

リムはこんな感じ

マウスピースを楽器のマウスパイプにはめ込むとこのようになる。

マウスピースはホルン本体以上にバリエーション豊かでメーカーも多い。

そのため、自分にあったものを見つけることはとても難しく、初心者の方はまず一般的とされているアレキサンダー8かティルツの8を使うことが多い。もちろんYAMAHAのマウスピースを使っている人もいる。

普段の練習に入るまで

ここから普段の楽器の練習に入るまでのたわいないことを紹介する。

まずは楽器ケースと譜面台、楽器スタンドを持ってきて。

楽器スタンドを組み立てます。これは楽器を保持する部分が布製で、楽器を傷つける心配がなくホルンふきにとてもおすすめです!

組み立てるとこんな感じ

次に楽器を組み立てます。ケースを開けるとこんな感じで収納されています。

楽器の本体部分はベルの下に収納され、すっぽりハマっています。

ベルを取り出して

合体!完成!

先ほどの楽器スタンドに置くとこんな感じです。

普段のオーケストラの練習ではこんな感じで見えています。

最後に譜面台を組み立てて

ウォームアップ開始!

メンテナンス

ホルンはその複雑な構造から部品が多く、日々のメンテナンスもちょっぴり面倒

下の写真の白い容器のものがオイル類である。

左からローターオイル、ベアリング&リンケージオイル、スライドジェルとなっている。


ホルンの抜き差し管を全て抜くとこんな感じ

本体が少し間抜けに見える

まず抜き差し管を抜いたところからローターオイルをさす

次に、ロータリーキャップを外した軸受部分にはベアリング&リンケージオイルをさす。人によってローターオイルをさす人もいる。

ロータリーキャップの反対がわの軸にもベアリングオイルをさす

レバー部分にもベアリング&リンケージオイルをさす

抜き差し管にスワブを通して

全ての抜き差し間にスライドジェルを塗って

抜き差し管を入れていく。この時レバーを押しながら入れてください。空気を逃しながら入れないとロータリーに負担がかかります。

全部入れたら

完了です。


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