定期演奏会の曲/団名について

定期演奏会の曲/団名について
ファゴット吹き兼代表のSです。
 
先週末に練習を行いました。展覧会の絵ライヒャも、だんだんと細部の作り込みに入ってきました。展覧会の絵は原曲、リムスキー編、ラヴェル編、更にはホロヴィッツストコフスキーなど演奏家による編曲、更には冨田勲さんのシンセサイザー版まで様々なバリエーションがあって、無限の可能性を感じます。原曲がいい意味で粗削りなので、その分現代になっても変わり続ける曲でもあるのかもしれません。今回は珍しい木管五重奏による編曲で、ピアノ曲のロシア的な素朴さとオーケストラのもつ色彩感を両立できればと思います。ところどころ、私たちが新たに解釈し直した場所も見つけていただけるかもしれません。
 
このように前例が数多あってそれらを吟味したうえでヒントに出来る展覧会の絵と真逆にあるのがライヒャです。特に今回演奏する作品91-4は、「ライヒャ 91-4」とグーグル検索するとトップページが弊団HPで埋め尽くされるほど日の目を見ない曲であります。しかも現代的にきちんと校訂された楽譜はなく、各パート譜を突き合わせて「正解」を探すところから始まり、不足したアーティキュレーションは自分たちで補っていかなければなりません。更に50分近くかかる大作で、積極的に音楽性を導き出して骨の髄までしゃぶりつくした演奏にしないと冗長になってしまいます。知られていない曲を創り上げて世に出すというと大げさかもしれませんが、どこか新曲を初演するときのプロセスに似ているかもしれません。「ここはこうしたらどうだろう」と楽譜に問いかけると、「その通りだ!」と返ってくる時もあれば、「出直してこい!」と渋られる時もあります。なるべく前者が多くなるように、楽譜の読み方や基本的な技術もっと勉強していかなければなりません。そのような意味で、ライヒャは私たちにとって最上の先生でもあります。
 
さて、幾つかご報告を。
弊団の名称、「サーガラ」はご周知のとおりサンスクリット語で洋の意味でありますが、この度サンスクリット語の団体名を決めました。どうぞ、

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です!「パンチャスシラサーガラハ」と読みます。पञ्चは「5」सुषिरは「管楽器」、そしてसागरःが「サーガラ」です。文法的には、ञ्चとसुषिरが数詞限定複合語(ドゥヴィグ)で、これとसागरの関係が所有複合語(バフヴリヒ)になっています。数詞が名詞を修飾する場合は一般に単語を分けなければならず、複合語として使ってはいけないのですが、この場合更に複合語の一部をなしているので、例外的にOKなのです[辻 1974, 232]。従って全体では「
五つの管楽器を持つサーガラ(海)」の意味になります。性数格は男性単数主格です。チャームポイントは、シュローカ(詳しくはアプテ梵英事典[Apte 1957]の付録Aをご覧ください)カデンツになっているところです。しかも八音節でb, d パーダにそのまま使えてとても便利!これでサンスクリット詩に自由に取り入れることができますね(`・ω・´)b
 
もう一つ、来年3月に予定している次回演奏会のプログラムがじわじわと固まってきました。キーワードは「ウィーン学派」になると思います。また、次回は今までにないプロジェクトも企画中なのでお楽しみに!日にち、会場、プログラムの詳細は決まり次第HPやSNSでご報告させていだだきます。
 
<参考文献>
Apte, Vaman Shivaran. 1957. The Practical Sanskrit-English Dictionary. Revised & enlarged ed. Poona.
辻直四郎 1974『サンスクリット文法』岩波書店

 

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