なぜなぜ管楽器(その3):数学的準備(微分のおさらい〜簡単な例を交えて)

なぜなぜ管楽器(その3):数学的準備(微分のおさらい〜簡単な例を交えて)

なぜなぜ管楽器(その3):数学的準備(微分のおさらい〜簡単な例を交えて)

前回の記事で空気柱のモデルの説明を行いました。
saagarawq.hatenablog.com
これから音波の波動方程式を求めて行きたいですが、
その前におさらいとして微分演算の説明をしたいと思います。
高校1〜2年生で関数を習ったことがあれば分かる内容にしたいなと思います。
#数学的には難ありの説明になってしまうかもですがそこは今回目をつぶります
#綺麗に書くと直感的にわかりづらくなっちゃいますから

物理や数学の用語は馴染みのない方にはかなり魔術的に聞こえると思いますが、
ゆっくり順を追ってみていくとなんてことはないことが多いです。
少なくとも意味を捉えることは十分できると思います。
その先の細か〜い話やどういう性質があるなど研究の段階に入ると
かなり難しいですが、、、

微分の定義

と言いつついきなり微分演算の定義を書いちゃいます!
えい!
f:id:saagara-windquintet:20170920100550p:plain
はい。こんな感じです。

式で書くとなんだか難しく感じますが
意味合いとしては関数f(x)xにおける
接線の傾き
を求める式です。

\Delta x\Delta xで1文字の扱い出ることに注意します。
これは物理や数学の慣例で何かと何かの差分などを表したい時に使います。
\Deltaギリシア文字のデルタの大文字でラテンアルファベットのDは
デルタ起源としています。おそらく差分のdifferenceの頭文字ではないかと思います。

\lim_{\Delta \to0}は極限と呼ばれるもので左の意味であれば
\Delta xを0に持って行きなさいという意味です。
基本的には計算の最後に実行することが多く、
特に気にすることがない場合は矢印の左の変数を右の数字に置き換えることで終わってしまいます。
\lim_{\Delta \to0}であれば\Delta xを0にすれば良いし
\lim_{\Delta \to a}であれば\Delta xをaにすれば良いです。
\lim_{\Delta \to\infty}であれば\Delta x\inftyにします。
\inftyを使うときは分母に来るときなどで\frac{A}{\infty}=0とします。
Aは任意の有限な数です。
もちろん結果が\inftyとなって発散するという結論になることもあります。
少し話が逸れましたが下の例でも最後に単に\Delta x0に置き換えるだけになっています。

まず意味は置いておいて具体的に1つくらい求めてみましょう
f(x)=x^2
の接線の傾きを求めてみましょう。

\frac{df}{dx}=\lim_{\Delta x\to0}\frac{f(x+\Delta x)-f(x)}{\Delta x}
=\lim_{\Delta x\to0}\frac{(x+\Delta x)^2-x^2}{\Delta x}
=\lim_{\Delta x\to0}\frac{x^2+2x\Delta x+(\Delta x)^2-x^2}{\Delta x}
=\lim_{\Delta x\to0}\frac{2x\Delta x+(\Delta x)^2}{\Delta x}
=\lim_{\Delta x\to0}(2x+\Delta x)
=2x

やっと求まりました。
例えばf(x)=x^2x=1における接線の方程式を求めてみよう。
まず傾きはさっきの計算から
f^\prime(x=1)=2(x,y)=(1,1)を通るので
接線の方程式は
y=2x-1となります。
実際描いてみるとこんな感じ。
f:id:saagara-windquintet:20170920153946p:plain
ちゃんと接していますね。

なんとなく実感はしていただけたかなと思います。
ここから少し微分の意味について考えていこうと思います。
定義式の右辺\frac{f(x+\Delta x)-f(x)}{\Delta x}
下図のように2点(x,f(x)),(x+\Delta x,f(x+\Delta x))を通る直線の
傾きを表しています。中学の時に習う
xの増加量分のyの増加量というやつです。
f:id:saagara-windquintet:20170920221422p:plain
そしてこの\Delta xをどんどん小さくしてやると
上図のように(x,f(x))における接線の傾きに近づいて行きます。
#本当に近づくのかについては細かい議論がありますが、
#範囲を相当逸脱するので今回は紹介しません。
#関数f(x)が変な関数でない限り近づくと信じてください。

ここまでで微分のザーックリとした大体の説明は終わりました。

んん?

物理になんでこんなものが登場するの?

と思いますよね。
実は結構いろんなところに潜んでいます。

微分は接線の傾きと説明しましたが
物理的にはある指標に対する感度などの意味があります。
具体例としては位置と速度の関係です。
簡単に説明すると速度というのは時刻に対する位置の感度と言えるかもしれません。
速さが大きければそのぶん同じ時刻の間に移動する距離は大きくなります。
感度という見方もできなくはないです。ただ、時刻は今のところ人間がその縮尺などを自由に調節できないので実感しにくいですね。

もう少し具体的に考えます。
静かに手を離して物を落とすとその落ちる距離は時刻の2乗に比例していることが知られています。
仮に以下のように仮定します。
f:id:saagara-windquintet:20170920223112p:plain
細かい話ですが、軸は上向きにとっているのでマイナスをつけています。
xは位置を表しtは時刻を表します。gはなんらかの定数で
実験等で決めるものです。もちろん他の理論から求められたりもします。
今はこのようになっていると仮定して進みましょう。
2で割っていることはあまり深く考えないでください。笑

この時の速度を求めてみましょう。
ある時刻tからt+\Delta tまでの平均の速度は
\frac{x(t+\Delta t)-x(t)}{\Delta t}
となります。時刻差\Delta tを0にする極限を取れば
時刻tにおける瞬間の速度となりますよね。
なので以下のようになります。
f:id:saagara-windquintet:20170920223616p:plain
微分の定義そのままですね。
ただ使う記号が変わっただけ。
さっきの計算例から速度はこの場合以下のようになります。
v(t)=-gt
これで各時刻tにおける速度が求まりまし。
実は速度をさらに時刻t微分すると
加速度が求まります。今までの類推から簡単にわかりますが、
加速度とは単位時間当たりに増加する速度を表します。
加速度は慣例でa(t)と書かれます。
上の具体例で計算すると加速度は以下のようになります。
a(t)=\frac{dv(t)}{dt}=-g
ただの定数gになってしまいました。

なんとなく置いた定数ですが、このgは重力加速度と呼ばれ
地上における重力によって発生する加速度です。

真空中でふわふわの羽と重たい金属の玉を落とすとどちらが先に地上に到達するかという
問題がよく出ますが、理想的な条件下では一緒になるという結論になります。
実生活からは結構不思議な結果かもしれません。
実生活では空気の抵抗力などが働くためもう少し話が複雑になります。
実際雨が重力加速度に従って降って来たらみんな穴だらけじゃないかな

少し話が脱線しましたがこんな感じで結構というか
普通に物理には微分が登場します。
微分が登場するということは積分も登場するのですが、、、

まとめ

ここまでで以上のことを少しまとめたいと思います。
微分演算は関数のある点における接線の傾きを求めることと同じ
・定義に従って素直に計算すれば求まる
・物理には結構微分が登場する

少し長いですかね
まあ今日はこの辺で

当然これから議論したい音波でも
微分がたくさん出て来ます!

次回は何にしようかなあ
多変数の微分かベクトルですかねえ
なんにしてももう少し数学の準備が必要です。。。。
先は長い。。。。

お役立ち情報カテゴリの最新記事