こんにちは
サーガラのホルンです
前回ホルンの概要について説明しましたが
今日はその続きを書こうと思います
一言オケのホルンといっても結構いろんなホルンがあります
シングルホルン、ダブルホルン、トリプルホルン、ナチュラルホルン、ウィンナホルン
バセットホルン、イングリッシュホルン
他にもあるかな
上段はいわゆるホルンの仲間で
下段は木管楽器です
バセットホルンはクラリネット
イングリッシュホルンはオーボエ奏者がよく演奏します
金管楽器のいわゆるホルンは
19世紀前半までは今のようにロータリーのないホルンでした
下の画像の左側のレバーがなく真ん中のくねくねした部分が全くない
ただの管状の楽器でした
実際下のような感じです
周りにたくさんあるのは付け替え用の管でクルークと呼ばれます
この間を入れ替えることで楽器の調を変えていました
写真のものはF管のクルークをつけています
もう少し近くで見るとこんな感じです
現代のオーケストラでこの楽器を見ることはかなり稀ですが
現在でも使用するオケはあったりします
どんな曲で使われるかというと例えば
バッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、ベートーベン
などでホルンの登場する曲はこのナチュラルホルンで
演奏することを意識して書かれています
具体的に現代のロータリーのついたホルンと
ナチュラルホルンでどう違うかというと
ナチュラルホルンでは基本的に以下の音しか出すことができません
これは自然倍音列と呼ばれるもので
高校物理の気柱の共鳴等で登場するかもしれません
#正確にはホルンの基音(第一倍音)は25パーセントほど振動数が低くなります
#またホルンは閉管楽器なので最も単純な筒をモデルとすると奇数の倍音しか出ないことになります。どうして出るかについてはおいおい、、、
それ以外の記譜のEsやH等の音についてはホルンのベルを
手で塞いで吹くゲシュトップや軽く塞ぐ方法で出していました
ただこの方法では音によってくぐもったり金属的なビーンという
音になってしまいます。ですのであまり好まれて自然倍音列以外の
音は使われてきませんでしたし、くぐもったり金属的な音になることを
考慮して書かれていました。
以下の例はブラームスのホルントリオの演奏例です
ホルンはナチュラルホルンで演奏されています(いるようです)
※演奏と映像があっていないようです
※手はベルの中に入れて演奏します(youtubeの動画の吹き方とは異なるはずです)
バロック時代以前は手を入れないで演奏していたようです
手を入れない場合は第11倍音(Fis)が非常に高くなることが知られています
また手を入れないので当然ゲシュトップなどができず自然倍音列以外の
音を出すことはできません
時代が経つとベルの中に手を入れて演奏するようになります
手を入れて演奏することでブラームスのホルントリオの例のように
自然倍音列以外の音を出せるようになりました
youtubeの演奏をよく聞くとビーンという音が出ているのが聞こえると思います
これが手で塞いで出る音です
一方
現代のホルンはロータリーによって管の長さを変えることで
上記の音以外にも音を埋めています
別の言い方をすると
現代のホルンはロータリーを押すことによって別の
調の自然倍音列に移すことができるということになります
その意味でシングルホルンには3つのロータリーがついているので
単純計算で2の3乗=8本のナチュラルホルンが組み込まれていると考えることができます
実際は1+2番ロータリー=3番管になるようになっているので重複をのぞいて7本ということになります。
一般的なシングルホルンでは
1番ロータリーが全音
2番ロータリーが半音
3番ロータリーが全音+半音
下がるようになっているので
F管のシングルホルンでは
F , E , Es , D , Cis , C , H の調のナチュラルホルンが入っていることになります。
さらにダブルホルンではF管に加えB管の楽器が入るので
B , A , As , G , Fis , F , E の調のナチュラルホルンが入ることになり、
重複を除き12本のナチュラルホルンがダブルホルンに含まれていることになります
昔はこれらの調のホルン間を曲の間や長い休みの間に変えたりしていました
なのでナチュラルホルンを想定して書かれている曲で調が変わりホルンの調を
変える必要がある場合は吹く直前は比較的長い休みがあることが多いです
余談ですが下の写真の大きなロータリーについているレバーを押すことで
F/Bの切り替えを行います

さてどこに着地して終わるかだんだんわからなくなってきてしまいましたw
ここからはどうでも良い話
ダブルホルンを分解するとこんな感じです
全部抜いてしまうと少し間抜けです
ホルンにはベルカットというモデルがあり
このようにベルを取り外すことができます
これのおかげで収納がこんなにコンパクトになります
これでだいたいわかっていただけたでしょうか
まだまだ紹介できていない部分が多いと思いますが
一旦ここまでにしようかなと思います
また紹介したいことを思いつき次第更新いたします1